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ポピュリズムの脅威

カナダに到着するや否やスイッチが切れて帰ってきた日から翌日まで、実に10時間、爆睡してしまいました。

毎回日本に行くたびに新しい出会いやアイデアから幾つもの事業イメージが湧いてくるのですけど、それが速効性をもたらすものなのか?それとも持続的繁栄のポテンシャルを有しているがゆえにこれからのために育てていくビジネスなのか?精査して臨む必要があると考えていて、現状うちのグループはその比率が大体7:3でいいバランスが取れています。僕はまたこの比率を経営の黄金比率であると定義し、あくまでもこのバランスを崩すことなく事業戦略に臨むことこそ変化の耐えないこの世界で力強く成長していく術であると考えています。(経営体質の強化とチーム育成において) 様々なビジネスアイデアやチャンスにおいては、これから検証を繰り返し、成長戦略を描いていこうと思います。

さて、そんなことを考えている中、日本を飛び立つ直前にその歴史的なニュースを飛び込んできました。

「イギリスユーロ離脱」

五分五分という前評判ではあったもののまさか離脱という決定がされるとは夢にも思わなかったので慌てました。想定できるイメージにおいては、イギリス離脱から連鎖離脱にてユーロ崩壊を誘発し、強いては世界経済の凋落を助長するのではないか?ということが思い浮かびました。円高は進み、うちのグループにとっては為替リスクや様々な経済の負の要因からマーケット不況に陥るのではないか?という不安もよぎったのですが、まだそこはすぐさま懸念することにあらず、注視する必要があると考えています。また離脱派の見識をも伺い知る限り、移民問題も現状のイギリスの社会保障システムでは確かに賄いきれない、善意とはいえ無条件で受け入れそれまでの生活を脅かされる不安に陥る気持ちはわからないでもないし、ユーロという大義に利用されていく大国イギリスが自分たちの威厳を持って離脱を決定するというのも一理あると思いました。

どちらを選択しても一長一短で、大局的には破壊なき成長というのには限りがあり、絶対的に善という決断がいかなる場合においても有効でないのが今のこの時代のあり方であると言えます。ただ、グローバル経済からブロック経済への移行は同時に閉塞感を助長し、これまで歴史上それは大戦の引き金となってきました。そう考えると、今年秋に迎えたアメリカ大統領選のほうがどちらかというと世界経済や情勢に与える影響は大きいように思います。

イギリスはこのまま離脱し、新たな経済パートナーシップのもと世界と連携していくか?または離脱を回避しユーロにとどまるか?の選択を迫られるのかもしれません。イギリスは欧州諸国の中にあって最大の市場であるのでユーロ諸国も離脱したからといい、無下に扱うこともできないでしょうし、これからの動向には注目すべきです。イギリスも閉鎖的な経済システムを敷くのは有利ではないということぐらい分かっているでしょうからブロック経済に類似した経済政策を敷くような判断をするとは思れませんしね。

 

さて、今回のユーロ離脱の是非を問う国民選挙という方法ついて、僕はやっぱり違和感を感じました。

国家のみならず世界に多大な影響を与えるであろう決定事項を民意に委ねるというのは得策とは言えません。とはいえ、ヒットラーやムッソリーニ、共産主義のリーダーのように独裁政権にて有無を言わさぬ決断を講じるのも危険を伴うものです。国家のリーダーシップという尊厳は、世界の経済や情勢を加味した上での最善を思案し、そして民意を説得することにあると考えています。なので、国家のリーダーを決定する上では、能力、資質、実行力を伴ったリーダーを民意によって選出しその決断の有無を委ねるものであるはずです。この世界においては、絶対善というものが存在しないのが常であり、どんな優れた意見やあり方にも正否の意見は対峙するものであるあらこそ、どんな優れたリーダーであっても時には誤ちを犯すし、判断を誤ることだってあるものと考えて然りです。それがその都度メディアや世論に影響されてよく考えもせず総論賛成で盛り上がってしまう風潮には一石を投じるべきであると思います。

今回の選挙でも経済や情勢に疎く、移民問題から自分たちの生活が脅かされるという不安から離脱に票を預ける人が多かったという事実には、その決定事項の重みからポピュリズムの怖さを感じました。グローバル経済やITの台頭により富むものとそうでないものが分離するのは、産業革命が起きた時と同じようにもたらされているものと言えます。それはこれまでのあり方が新しいあり方に変わるという進化であり、地球規模でそれを繰り返してきたという歴史を辿れば、そうした今の姿も一つであり、過去に帰って古き良き時代を取り戻そうと考えることそのものが誤っていると言えるでしょう。(ただ、そうした反対派が意見することで進化の精度は研ぎ澄まされていくものであると思うのですが、結果的には滞留することなく進化します)

 

だから、僕は今の現状を受け止めて考え、最善を指し示し、そして民意を問いマジョリティを形成していくというのが、このレベルの決定事項を決断する上でのあり方であると言えます。

これは会社経営においても同じであり、うちのグループにおいても専門能力を携えたチームによるチームビジネスを推進しながらも縦の組織戦略を重視し決断においてはその責任を背負うものが最後が決断し納得させるという形を敷いています。その決断するための能力(情報収集力、情報分析力、思考力、行動力、想像力)が秀でているからそれぞれの部署のリーダーであり、人望だけでそのスキルにかける人を上に置くとこうした感情論を誘発し、結果、組織に歪みをもたらすと考えています。だからいつも部下に対して都合のいいことばかり言って気を引かせたり、または決断力や行動力に欠けて常に他人任せであったり、他人のせいにするようではリーダーは務まるものではないので、そのタイトルを与える場合には気をつけるようにしています。

僕もこのビジョンを実現するための基盤を作り上げるまでは全てのオーナー権を有しておく覚悟です。その間は、すべてにおいて部下の意見や質問にも耳を傾けても、経営の舵取りに関わる案件の最終決定は自分がするつもりです。そうして僕がイメージするどんな変化にも対応し成長し続けることのできる世界最高のレストラン企業(チーム)を作ることができたら、またその次のステップに入る計画をしています。

千差万別にて人生観や考え方はそれぞれであっても、集合体として臨む上ではトップダウンを差し締めすことは同様に大事なことであると考えています。幸い会社という集合体は国家と違って個人の選択も自由です。そのトップダウンに対して納得いかなければ他を探せばいいし、無理してそこに存在する必要はないと考えています。本質ははビジョンや理念に伴い英知を集めた決断(トップダウン)に対して自意識が共有されて、その実現に向けたそれぞれの取り組みの中でそれぞれの意見が反映されていくことやと思います。だから、リーダーこそ率先して自己成長をなし遂げて然りであると考えています。

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